零細企業こそUTMを入れるべき理由|導入しないリスクと失敗しない選び方

零細企業こそUTMを導入すべき

「うちみたいな零細企業が、UTMなんて入れる必要あるの?」

こう思ったことがある方は多いはずです。

社員5人、10人規模の零細企業では、IT予算も人手も限られています。

UTMは「大企業向けの高価な機器」というイメージが根強く、導入を後回しにしているケースも少なくありません。

ただ、近年はサイバー攻撃も手法も変わってきています。

サイバー攻撃の被害を受けているのは大企業だけではなく、セキュリティが手薄な中小・零細企業が標的にされ始めているのが現状です。

後回しにした結果、サイバー攻撃に遭い、想定以上の被害が出る可能性もゼロではありません。

そこでこの記事では、零細企業にUTMが必要な理由と、導入しないと具体的に何が起きるのかを解説します。

そもそも零細企業とは?セキュリティが手薄になる理由

「零細企業」は日常的に使われる言葉ですが、法律上の正式な定義はありません。

では、どの程度の規模が「零細企業」と判断されるのでしょうか?

この章では零細企業の定義とセキュリティ対策について解説します。

法律上の定義と一般的なイメージ

零細企業という表現に最も近い法的区分は、中小企業基本法が定める「小規模事業者」です。

業種小規模事業者の定義(中小企業基本法)
製造業・建設業・運輸業など常時使用する従業員数が20人以下
卸売業・小売業・サービス業常時使用する従業員数が5人以下

一般的に「零細企業」というと、この小規模事業者の中でもさらに従業員5〜10人以下の法人を指すことが多いです。

法人格がある点で個人事業主とは区別されますが、実態の規模はほぼ同水準のケースも珍しくありません。

零細企業がセキュリティを後回しにしてしまう理由

零細企業がセキュリティ対策を後回しにしてしまう背景には、規模から来る構造的な問題があります。

まず、専任のIT担当者がほぼ存在しません。

セキュリティ設定の確認・脆弱性の把握・インシデント対応といった専門的な作業を、経営者や総務担当者が「他の業務のついで」にこなしているのが実態です。

次に、セキュリティへの投資が後回しになりやすい点も挙げられます。

日々の受注・納品・資金繰りに追われる中で、「今すぐ困っているわけではない」対策の優先度はどうしても下がります。

UTMの基礎知識

UTMとは「Unified Threat Management(統合脅威管理)」の略で、複数のセキュリティ機能を1台のネットワーク機器にまとめたものです。

ネットワークの入り口(インターネットと社内の接点)に設置して、外部からの不審な通信をまとめて防ぎます。

複数の機能によって、セキュリティ対策にかかるコストを抑えられるため、零細企業こそ検討したい製品です。

ここでは、UTMの主な機能を紹介します。

UTMに搭載される主な機能

機能役割
ファイアウォール不正な通信を遮断し、社内ネットワークへの侵入を防ぐ
アンチウイルスネットワーク上のファイルのウイルスを検知・除去する
IDS/IPS不正侵入を検知(IDS)・防止(IPS)する
Webフィルタリングフィッシングサイト・危険サイトへのアクセスをブロックする
スパムフィルタリングフィッシングメール・迷惑メールを遮断する

これらを個別に導入しようとすると、それぞれのライセンス費用・管理コスト・更新作業が発生します。

UTMなら1台でカバーできるため、限られたリソースで動く零細企業でも現実的に対応できます。

ルーターやウイルス対策ソフトとどう違うのか

「すでにウイルス対策ソフトを入れているから大丈夫」という声は多いですが、守れていない領域があります。

ウイルス対策ソフトはPC1台ずつにインストールするもので、ネットワーク全体の通信を監視する機能はありません。

つまり、「端末の中」は守れても、「ネットワークの入り口」は無防備という状態になってしまいます。

UTMはその入り口に置くことで、悪意ある通信が社内に入ってくる前に食い止められるツールです。

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初めてセキュリティ対策に取り組むのであれば、まずはウイルス対策とUTMの導入がおすすめです。
UTMは複数のセキュリティ機能を一台に集約できるため、コストを抑えながら本格的な対策が始められます。
製品の詳細や導入のご相談は、お気軽にお問い合わせください。

零細企業はサイバー攻撃に狙われやすい

「うちには大した情報がない」「小さい会社を攻撃するメリットはない」という思い込みは、近年通用しなくなっています。

この章では、なぜ零細企業でもサイバー攻撃に備える必要があるのか、以下3つの観点から解説します。

【この章で解説する内容】
・中小企業のUTM導入率は3割未満にとどまっている
・規模が小さいほど、攻撃者に狙われやすい
・サプライチェーン攻撃で取引先も被害に遭う

中小企業のUTM導入率は3割未満にとどまっている

零細企業は、セキュリティ機器の導入率が低い点も、サイバー攻撃に狙われやすい理由の1つです。

同じ区分である中小企業の導入率を見てみましょう。

バッファロー株式会社が2024年に実施した実態調査では、以下の結果が出ています。

  • ・情報システム担当者の8割以上が「ネットワークセキュリティ対策の重要性が高まっている」と実感
  • ・UTMが「有効な対策」と答えた割合は7割以上
  • ・にもかかわらず、実際のUTM導入率は3割未満にとどまっている
  • 出典:株式会社バッファロー

「必要だとはわかっているが、コストが高い」「UTMをよく理解していない」という理由が上位を占めています。

UTMは何も異常を発生させないことが、一番の役割であるため、成果がわかりにくい点も導入率が低い理由といえるでしょう。

UTMを零細企業に入れたときの反応

零細企業では、サイバーセキュリティ専任の人材はほとんどいません。

UTMの機能に理解ができていないと、「やっぱり導入したのは失敗だった」と思われる可能性もあります。

こういった課題に対して、国内UTMメーカーSAXAは、「見える化サイト」という、どれだけサイバー攻撃を防げたかを確認できるサービスを提供しています。

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規模が小さいほど、攻撃者に狙われやすい

警察庁の2026年サイバー犯罪統計によると、ランサムウェアの被害件数は226件で高水準が続いており、そのうち中小企業の被害は143件です。
参考:警察庁「マルウェア「ランサムウェア」の脅威と対策(脅威編)

大企業はセキュリティへの投資が大きく、ハッカーが侵入するのも難しくなっています。

そのため攻撃者は、守りが薄くて狙いやすい零細企業を優先して標的にするのです。

さらに近年は、攻撃ツールの自動化・低コスト化が進んでいます。

インターネットに接続しているすべての機器を無差別にスキャンして攻撃を試みる手口が主流になっており、「規模が小さいから安全」という理屈はもう成り立ちません。

取引先を巻き込む「サプライチェーン攻撃」のリスク

もう一つ、零細企業特有のリスクとして押さえておきたいのが、サプライチェーン攻撃です。

サプライチェーン攻撃とは、セキュリティの弱い中小・零細企業を踏み台にして、その取引先の大企業へ侵入する手口です。

取引データやメールのやりとりを経由して侵入されるため、「知らないうちに攻撃の起点になっていた」というケースが実際に起きています。

近年発生している事例は、以下のページでも詳しく解説しているので、参考にしてください。

中小企業サイバー攻撃事例!実在企業の被害から学ぶ原因と対策

自社が被害を受けるだけでなく、取引先への損害・賠償責任・信頼失墜まで招きかねません。

UTMを導入しないと起こる3つのリスク

ここからが本題です。

UTMを入れなかった場合、具体的にどういう事態が起きるのかを整理します。

【この章で紹介するリスク】
・ランサムウェア感染による業務の長期停止
・顧客・取引先の情報漏洩
・取引先からの信用を失う

リスク①:ランサムウェア感染による業務の長期停止

ランサムウェアは感染すると、PC・サーバー上のファイルをすべて暗号化し、業務を完全に停止させます。

情報を奪って、身代金を要求する悪質な手法です。

ランサムウェア被害を受けたとき

暗号化されたデータは、身代金を払っても必ずしも元に戻るとは限りません。

警察庁の調査では、復旧に「1週間以上」かかった組織が約53%。
費用が「1,000万円以上」かかった組織は約58%

参考:警察庁「令和6年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について

零細企業にとって、事業の存続そのものに直結するリスクです。

リスク②:顧客・取引先の情報漏洩

顧客の個人情報・見積書・設計データ・契約内容などが外部へ流出した場合、その影響は自社だけにとどまりません。

個人情報保護法では、個人情報を業務として取り扱う事業者は、安全管理措置を講じることが義務づけられています。

零細企業も例外ではなく、漏洩が発生すれば行政対応・損害賠償・信頼失墜という連鎖が待っています。

そもそも、情報が漏えいした際、なんの対策も取っていない状況では、人手が足りず対応ができません。

だからこそ、トラブルが発生していないうちに対策が必要なのです。

リスク③:取引先からの信用を失う

近年、発注企業がサプライヤーへセキュリティ対策の確認を求めるケースが増えています。

「UTMの導入証明を提出してほしい」「セキュリティポリシーを確認したい」という要求が来たとき、何も対策していなければ取引を失うリスクがあります。

セキュリティ対策はいまや、「事故が起きてから考えるもの」ではなく、「取引を継続するための条件」になりつつあるのが現状です。

零細企業で、取引している企業も限られているような状況でも、できるところからセキュリティ対策を行う必要があります。

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UTMは複数のセキュリティ機能を一台に集約できるため、コストを抑えながら本格的な対策が始められます。
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零細企業にUTMが有効な3つの理由

リスクは理解できた。では、なぜその対策としてUTMが有効なのでしょうか。

ここでは、零細企業の実情に合った理由を3つ挙げます。

【この章で紹介する内容】
・複数のセキュリティ機能を1台でまとめて管理できる
・IT専任者がいなくても運用できる
・ウイルス対策ソフトでは防げない脅威に対応できる

理由①:複数のセキュリティ機能を1台でまとめて管理できる

ウイルス対策ソフト・ファイアウォール・フィルタリングを個別に導入すると、管理が複雑になり、ライセンスの更新時期もバラバラになります。

製品間で連携が取れず、対応に戸惑うこともあるでしょう。

UTMはこれらを1台に集約できます。

会社にあるPC・スマートフォン・プリンターなど、ネットワークに接続するすべてのデバイスを入り口で一括保護できるため、管理の手間を大幅に削減できます。

理由②:IT専任者がいなくても運用できる

UTMは設置後、基本的に自動で動作します。

最新の脅威情報(シグネチャ)への更新も自動で行われるため、日常的に手を加える必要はほとんどありません。

管理画面は使いやすい設計がされており、ログやアラートで状況を確認しやすくなっています。

設定・保守をベンダーに委託できるメーカーもあるため、ITの専門知識がなくても現実的に運用できます。

理由③:ウイルス対策ソフトでは防げない脅威に対応できる

ウイルス対策ソフトの主な役割は、端末に入り込んだマルウェアの検知と除去です。

しかし、ネットワーク経由の不審な通信そのものを監視する機能はありません。

UTMはネットワークの入り口で、外部からの不審な通信をリアルタイムで検知・遮断します。

ランサムウェアのダウンロード通信のブロック・フィッシングサイトへのアクセス遮断・外部からの不正アクセス試行の防止なども、UTMが得意とする領域です。

「UTMはもう古い」は本当か?零細企業への正直な答え

UTMについて調べると「UTMはもう古い」「クラウド時代にUTMは不要」という意見も目にします。

この言葉の意味を知らずに対策を放置してしまうと、想像以上の被害を受ける可能性もあります。

そこで、この章では「UTMがもう古い」と言われる理由についてみていきましょう。

「古い」と言われる背景

テレワークの普及やクラウドサービスの活用が進んだことで、「社内ネットワークの境界を守れば安全」という考え方が通用しにくくなってきました。

この変化に対応する概念が「ゼロトラスト」で、「社内でも社外でも信頼せず常に検証する」という考え方に基づきます。

大企業ではゼロトラストをもとに、EDR(エンドポイント検知・対応)やSASE(クラウド型の統合セキュリティ)などより高度なソリューションへ移行するケースが増えています。

こうした流れを受けて、社内のネットワークの入り口を守る「UTMは時代遅れ」という声が出てきているのです。

零細企業には今もUTMが現実的な選択

しかし、ゼロトラスト・EDR・SASEは、高い導入コストと高度な運用知識が前提です。

IT専任者がおらず、リソースに限りのある零細企業に、これらをいきなり求めるのは現実的ではありません。

また、ほとんどの零細企業はいまでも社内に設置したネットワークを中心に業務を行っています。

その環境では、ネットワーク入り口を守るUTMは今も十分に有効です。

「完璧なセキュリティを目指す前に、まず入り口を守る」という発想が零細企業には合っています。

まずUTMで土台を固めることが、現実的な最初の一手として正解です。

「UTMが必要ない」と言われる理由については以下のページでもさらに詳しく解説しています。

【必読】UTMは必要ない?古いと言われる理由を解明!導入メリットと判断基準

失敗しない零細企業向けUTMの選び方

UTMの導入を決めたなら、次は「何を基準に選ぶか」です。

当社が現場でよく見る「失敗パターン」を踏まえて、3つのポイントを紹介します。

【この章で紹介する内容】
・接続台数とスループットを確認する
・サポート体制を最優先で選ぶ
・零細企業向けのおすすめ製品

ポイント①:接続台数とスループットを確認する

UTMには「スループット」という処理能力の指標があります。

スループットが低いUTMを選ぶと、ネットワーク速度が落ちて業務に支障が出るため、ここは必ず確認が必要です。

接続台数が10台以下の零細企業であれば、スループット100〜200Mbps程度のエントリーモデルで十分対応できます。

光回線(1Gbps)を使っている場合でも、実際の業務トラフィックはその10〜20%程度が一般的です。

過剰スペックを選ぶ必要はないため、接続台数・回線速度・拡張予定を整理してから相談するとスムーズです。

ポイント②:サポート体制を最優先で選ぶ

IT専任者がいない零細企業では、導入後のサポート体制が選定の最重要ポイントです。

以下を事前に確認してください。

  • ・電話・リモートサポートの対応時間(平日のみか、緊急対応があるか)
  • ・初期設定の代行サービスがあるか
  • ・故障時の代替機貸し出し・交換サービスがあるか
  • ・設定変更にも随時対応しているか

「設置だけして、あとは自分でやってください」という製品を選ぶと、問題が起きたときに手が出せず放置状態になるリスクがあります。

ポイント③:零細企業向けのおすすめ製品

弊社がご案内している代表的な製品を紹介します。

SAXA SS7000シリーズ

国内メーカーSAXAの中小企業向けUTMです。

機能が充実しており、日本語サポートも手厚くなっています。

メール誤送信対策機能なども備えており、幅広いリスクに対応できます。

Check Point Quantum Spark 2500シリーズ

QuantumSpark2500はCheck Point Software Technologiesが販売しているUTMです。

イスラエルに本社があり、米国NASDAQ市場に上場しています。

イスラエルは、世界トップクラスのサイバーセキュリティ技術を持っている国であり、Check Point社もその優れた技術が市場で評価されています。

小規模企業のUTM導入ならお任せください

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初めてセキュリティ対策に取り組むのであれば、まずはウイルス対策とUTMの導入がおすすめです。
UTMは複数のセキュリティ機能を一台に集約できるため、コストを抑えながら本格的な対策が始められます。
製品の詳細や導入のご相談は、お気軽にお問い合わせください。

UTMと零細企業に関するよくある質問

最後によくある質問を紹介します。

Q. UTMは義務化されていますか?

現時点で、零細企業へのUTM導入を直接義務化する法律はありません。

ただし、経済産業省の「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」では中小企業にも対策が求められており、発注企業がサプライヤーにセキュリティ対策の証明を求めるケースも増えています。

事実上の「取引条件」になりつつある業界があることは、押さえておくべきポイントです。

Q. UTMがないとどうなりますか?

ネットワーク全体を守る仕組みがない状態では、ウイルス感染・不正アクセス・情報漏洩のリスクが常に高い状態が続きます。

被害が発生した場合、業務停止・データ消失・取引先への損害賠償という連鎖が起きる可能性があります。

「被害が出てから対策する」では遅いというのが、セキュリティの基本的な考え方です。

Q. UTMとルーターは何が違いますか?

ルーターはネットワーク同士をつなぐ通信管理が主な役割です。

一方UTMは、ルーターの機能に加えて、ファイアウォール・アンチウイルス・不正侵入防止など複数のセキュリティ機能を搭載しています。

「ネットワークをつなぐだけ」のルーターに対し、「つなぎながら守る」のがUTMです。

まとめ:UTMは零細企業こそ必要

近年は、サプライチェーン攻撃という、取引先から大企業を狙う手口が流行しているため、零細企業でもサイバーセキュリティ対策は必須です。

その際、UTMとウイルス対策ソフトが、端末とネットワークの出入口を守る際に役立ちます。

「うちは零細企業だから、狙われる心配はない」と対策を後回しにして、万一被害にあってしまった場合、一気に事業の継続すら危ぶまれる事態になる可能性もゼロではありません。

まずは、できる範囲から対策を検討してみてください。

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