「UTMは必要ない」「もう古い」といった意見を目にすることもあります。
しかし、会社のネットワークを守る立場の経営者や総務担当者にとって、本当に導入しなくても問題ないのでしょうか。
もし顧客情報の漏洩や業務停止が起きれば、企業の信用や取引関係に大きな影響が出る可能性があります。
とはいえ、UTMの仕組みや効果が分からないまま高額な設備を導入するのは不安ですよね。
そこで本記事では、「UTMは必要ない」と言われる理由と、導入すべきか判断するポイントを説します。
UTMは必要ないと言われる3つの理由と真実
「UTMは必要ない」「導入しても意味がない」といった意見を見て、導入を迷っている経営者の方も多いのではないでしょうか。
しかし、その多くは誤解や一部の環境だけを前提にした情報です。
ここでは、UTMが不要と言われる主な理由と、その真実を分かりやすく解説します。
【ここで解説する内容】
・「UTMはもう古い」と言われる背景
・ウイルスソフトだけで対策できているという思い込み
・コストパフォーマンスが見えにくいという心理的なハードル
「UTMはもう古い」と言われる背景
「UTMはもう古い」という主張は、IT業界で注目されている「ゼロトラスト」や「クラウド型セキュリティ」への移行を背景にしています。
これは「社内ネットワークという境界線を守るのではなく、個々の通信を常に疑う」という考え方です。
大企業のようにテレワークが中心で、社員が社外から直接クラウドサービスを利用する環境であれば、物理的なUTM(境界線防御)だけでは不十分なケースも確かに存在します。
しかし、中小規模の製造業やサービス業など、社内拠点にパソコンや共有サーバーを置いて業務を行う企業においては、社内ネットワークの入り口を一括で守るUTMが依然として効率的です。
「社内ネットワークの重要性が低い企業の話だろう」
「最新のクラウドセキュリティは設定や管理が複雑で、専門家がいないと扱えない」
「拠点ごとに高額なライセンスを契約するのは、中小企業にとって現実的ではない」
このような悩みを抱える経営者様にとって、物理的なUTMは「これ1台を置くだけで社内全体を守れる」という分かりやすい解決策になります。
新しい技術が注目されているからといって、従来のUTMが役に立たなくなったわけではありません。
ウイルスソフトだけで対策できているという思い込み
「全社員のパソコンにウイルス対策ソフトを入れているから、UTMは必要ない」と考える企業多いです。
しかし、この考えには大きな落とし穴があります。
ウイルス対策ソフトは、あくまで「パソコンの中に侵入してきたウイルス」を検知し、駆除するためのツールです。
全社員のパソコンに対策ソフトを入れていても、ネットの出入口や他の機器が無防備ではそこから侵入される恐れがあります。
会社を守るには、端末対策と入口対策の両方が欠かせません。
コストパフォーマンスが見えにくいという心理的なハードル
UTMの導入を躊躇する理由は、投資対効果が見えにくい点にあります。
セキュリティ対策は「何も起きないこと」が成果であるため、毎月のコストが削れる経費のように感じてしまう経営者様も少なくありません。
一方で、一度サイバー攻撃の被害に遭えば、その損害額はUTMの導入費用とは比較にならないほど膨大になります。
「目に見えないものにお金を払う価値があるのか」
「そもそも、うちのような規模の会社が狙われるはずがない」
「もしウイルスに感染しても、パソコンを買い替えれば済むのではないか」
このような悩みや疑問を持つのは、リスクが具体化していないからです。
実際には、ランサムウェアによる業務停止や顧客情報の流出が発生した場合、数千万円単位の損失が発生する事例が相次いでいます。
企業受けたサイバー攻撃の事例についは、以下のページにまとめています。
【2025年最新】サイバー攻撃を受けた企業一覧|被害内容・原因・復旧対応まで徹底解説
UTMが必要ないどころか必須になる
「うちは狙われない」という思い込みは、現代では通用しません。
サイバー攻撃者は、ガードの固い大企業ではなく、対策が手薄な中小企業をあえて狙うようになっているからです。
ここではUTMが必須になる理由について以下を解説します。
【ここで解説する内容】
・中小企業を狙うサイバー攻撃の最新事例
・ネットワーク機器が踏み台になるリスク
・顧客情報が流出した際の損害と社会的責任
中小企業を狙うサイバー攻撃の最新事例
現実は、大企業を攻めるための「踏み台」として中小企業が無差別に狙われています。
「うちは小さな町工場だからハッカーは興味がないはず」
「目立った顧客データも持っていないし、狙われる理由がない」
「もし攻撃されても、数日間仕事が止まる程度で済むのではないか」
こうした考えは危険です。
自社が直接的な標的ではなくとも、大手取引先へ侵入するための「踏み台」として狙われるケースが急増しています。

参考:帝国データバンク「サイバー攻撃に関する実態調査(2025年)」
中小企業を狙ったサイバー攻撃が増加しているため、UTMの設置も必要不可欠です。
ネットワーク機器が踏み台になるリスク
社内のネットワークには、パソコン以外にも複合機やNASなど、ビジネスに欠かせない機器が多く繋がっています。
これらは便利な反面、適切なガードがないと外部からの不正アクセスの窓口にされてしまうリスクがあります。
「社内ネットワークに外部から勝手に侵入されることはないのか」
「大切な顧客データが、知らない間に外へ送信されていないか」
「業務で使う機器が、サイバー攻撃の足がかりにされないか」
こうした不安を解消するのがUTMです。
顧客情報が流出した際の損害と社会的責任
情報漏洩が起きた際、金銭的な被害以上に恐ろしいのが「社会的信頼の失墜」です。
一度「セキュリティが甘い会社」というレッテルを貼られると、その後の取引継続が困難になるケースが少なくありません。
「流出した情報の件数に応じて、莫大な損害賠償を請求されないか」
「取引先から責任を問われ、契約を打ち切られないか」
「謝罪対応やシステムの復旧に追われ、本業が手につかなくなるのでは」
こうした懸念は、決して他人事ではありません。
中小企業がやるべきセキュリティ対策について悩んでいる方は、ぜひ以下の記事も参考にしてみてください。
中小企業サイバーセキュリティ対策の始め方|最初にやるべき手順と具体策を解説
UTMとファイアウォールの違いと導入メリット
「ファイアウォールがあれば十分」という声もありますが、現代の巧妙な攻撃を防ぐには不十分な場合があります。
UTMは、従来のファイアウォールをさらに進化させ、複数の防御機能を一つに統合した「次世代の守り」です。
ここでは、その違いと導入のメリットを解説します。
【ここで解説する内容】
・初心者でもわかるUTMの仕組みと役割
・複数のセキュリティ機能を1台で網羅できる効率性
・専門知識がなくても運用できる
初心者でもわかるUTMの仕組みと役割

UTMは、これまではバラバラに導入されていた複数のセキュリティ機能を1つにまとめ、オフィス全体のネットワークの入り口を一括で守る「多機能な防壁」のような存在です。
以下のような複数の機能を1つのシステムで同時に動かすことで、ネットワークを包括的に監視します。
| 主な機能 | 詳細 |
|---|---|
| アンチウイルス機能 | インターネット経由で侵入しようとするウイルスを検知・除去する |
| 侵入検知/防止(IDS/IPS) | 外部からの不正なハッキングやネットワークへの侵入を未然に防ぐ |
| Webフィルタリング | 業務に関係のないサイトや、ウイルス感染の恐れがある危険なサイトへのアクセスをブロックする |
| 迷惑メール(スパム)ブロック | 悪意のあるメールや迷惑メールが社内に届くのを防ぐ |
| メール誤送信防止 | 送信したメールを一定時間保留し、ミスに気づいた時にキャンセルできる |
複数のセキュリティ機能を1台で網羅できる効率性
UTMのメリットは、本来ならバラバラに用意すべき対策を「これ1台」に集約できる点です。
「ウイルス対策や迷惑メール遮断など、個別に契約するのが面倒」
「複数のソフトを入れるとパソコンの動作が重くなり、業務に支障が出る」
「それぞれのソフトの更新時期がバラバラで、管理しきれない」
高度な機能が最初からパッケージ化されているため、管理が簡単です。
コストと効率のバランスを重視する中小企業にとって、理にかなった選択肢といえます。
専門知識がなくても運用できる
ITに詳しい社員がいない環境でも、最新のセキュリティを維持できるのがUTMの強みです。
「専門的なログを見ても、何が危険なのか判断できない」
「トラブルが起きたとき、誰に相談すればいいのか分からない」
「日々の業務が忙しく、セキュリティの管理まで手が回らない」
こうした不安を抱える企業にこそ、UTMは役立ちます。
UTMは基本的に自動で脅威を遮断し、異常があれば通知してくれるため、お客様自身が常に画面を監視する必要はありません。
企業のサイバーセキュリティ対策なら
セキュリティ対策に取り組むのであれば、 まずは、ウイルス対策とUTMの導入は必要不可欠です。
自社にUTMが必要か判断するためのチェックリスト
「結局、うちの会社にUTMが必要なのか」という疑問に答えるため、判断基準を整理しました。
企業の規模に関わらず、現代のビジネス環境ではインターネットが不可欠ですが、その使い方は千差万別です。
自社の状況が以下の項目に当てはまるかどうか、客観的にチェックしてみましょう。
【チェック内容】
・ネットワークに繋がる周辺機器を導入している
・顧客情報や機密データをパソコンで扱っている
・セキュリティの専任担当者が社内にいない
ネットワークに繋がる周辺機器を導入している
複合機や共有サーバー(NAS)など、インターネットに接続して活用する便利な周辺機器を導入している場合は、ネットワーク全体の保護が欠かせません。
「社内の便利なネットワーク環境を、外部の悪意から守り抜きたい」
「周辺機器の通信経路が、サイバー攻撃の隙間にならないか心配だ」
「パソコン以外の設備も、一括して安全に使い続けられる環境を整えたい」
こうしたニーズに応えるのがUTMです。
パソコンには個別のソフトを入れられますが、ネットワークに繋がる全ての周辺機器に同様の対策を施すのは困難です。
そこで、通信の入り口にUTMを置くことで、社内の大切な設備をまとめてガードします。
顧客情報や機密データをパソコンで扱っている
取引先の連絡先や見積書、顧客名簿などをパソコンで管理している場合、そのデータはハッカーにとって「価値ある商品」になり得ます。
「うちは従業員数も少ないし、ハッカーが狙うような機密はないはず」
「万が一データが漏れても、謝罪すれば済む話ではないのか」
「自社が原因で、取引先までサイバー攻撃の被害に遭わせることはないか」
現代の攻撃は、自社が直接のターゲットになるだけでなく、取引先を攻撃するための「踏み台」にされるケースが増えています。
もし自社のセキュリティ不備が原因で他社に迷惑をかけてしまえば、賠償責任だけでなく、長年築いた信頼関係を失いかねません。
セキュリティの専任担当者が社内にいない
社内にITの専門知識を持つスタッフがいない場合、UTMは「24時間365日常駐するガードマン」のような心強い存在になります。
「セキュリティ対策と言われても、具体的に何をすればいいか分からない」
「日々の業務が忙しく、ウイルスの最新情報を追う余裕なんてない」
「万が一トラブルが起きたとき、自力で解決できる自信がない」
UTMは一度設置してしまえば、最新のウイルス情報への更新も、不正な通信の遮断も自動で行われます。
「これ1台置いておけば安心」という手軽さは、本業に集中したい中小企業の経営スタイルに最適です。
失敗しないための選び方
UTMは多くのメーカーから販売されており、どれを選べば良いか迷ってしまうものです。
自社に合わないモデルを選んでしまうと、通信速度が遅くなったり、逆にオーバースペックで無駄なコストがかかったりすることもあります。
最適な1台を選ぶための重要な視点を整理しました。
【ここで解説するポイント】
・会社の規模(従業員数)や通信速度に合っているか
・サポート体制が充実しているか(運用の相談ができるか)
・他の機器との親和性を確認する
会社の規模(従業員数)や通信速度に合っているか
UTM選びで最も失敗しやすいのが、スペックの不一致です。
「安さを優先して選んだら、インターネットが異常に遅くなった」
「接続するパソコンの台数が増えたら、頻繁に通信が切れる」
「将来的に従業員を増やす予定だが、今の機種で足りるのか」
このような不満を防ぐために、最大接続台数とスループット(通信処理速度)の確認をしましょう。
UTMは通信の中身を細かく検査するため、性能が低いと、業務効率を下げてしまいます。
現在の人数だけでなく、数年先の増員も見据えて、少し余裕のあるモデルを選ぶのが賢明です。
自社の通信量に最適な機種を選ぶことで、ストレスのない安全な環境が手に入ります。
サポート体制が充実しているか(運用の相談ができるか)
UTMを導入する際、機器の性能以上に重要なのが「誰が支えてくれるか」というサポート体制です。
「インターネットが繋がらなくなったとき、すぐに対応してもらえるのか」
「不審なメールが届いた際、その場でプロの意見を聞きたい」
「設定の変更が必要になったが、やり方が分からず困っている」
こうした事態に備え、導入後の「保守・サポート」が充実しているか必ず確認しましょう。
とくに中小企業では、トラブル時に駆けつけたりリモートで診断したりしてくれるパートナーの存在が不可欠です。
ネットワーク全体を熟知し、困ったときにいつでも相談できるプロとつながることで、経営者様は安心して本来の業務に専念できるようになります。
他の機器との親和性を確認する
UTMを選定する際は、社内のネットワーク環境全体を把握しているプロに相談するのが最も効率的です。
「新しく導入したシステムとUTMが干渉してしまわないか不安だ」
「ネットワークの配線や設定が複雑で、どこから手をつければいいか分からない」
「トラブルが起きたとき、窓口がバラバラだと説明に手間がかかる」
こうした懸念を解消するためには、機器の設置からネットワークの構築までワンストップで対応できるパートナーを選ぶことが大切です。
弊社は、防犯カメラの専門業者でもあり、リアルとネットのセキュリティ対策を同時に行えます。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
UTM導入に関するよくある質問
最後にUTMに関するよくある質問を紹介します。
導入すれば絶対にウイルス感染しないのですか?
残念ながら、100%感染を防げる対策は存在しません。
しかし、UTMを導入することで、外部からの攻撃や不正通信のリスクを極限まで下げられます。
これは防犯カメラを設置して泥棒の侵入を抑止するのと同様の効果です。
万が一の事態に備え、リスクを最小化する「多層防御」の要としてUTMは非常に有効です。
設置や設定は自分達でやる必要がありますか?
お客様に難しい操作をしていただく必要はありません。
当社の技術者が現地へ伺い、貴社のネットワーク環境に合わせた最適な設定を行います。
UTMはもう古いと聞いたのですが、本当ですか?
中小企業のネットワーク保護においてUTMは現在も主流の対策です。
近年はクラウド型サービスも増えていますが、社内ネットワークの「入り口」で一括ガードできるUTMの手軽さと強固さは、IT専門員がいない環境では必要です。
まとめ
「UTMはもう古い」という声もありますが、それは一部の大企業や特殊な環境に限った話です。
中小企業にとっては、UTMは今もなお、サイバー攻撃に対する「守りの要」です。
当社では、お客様の環境に合わせた最適なセキュリティ対策をご提案しています。
「何から手をつければいいか分からない」という方も、まずは一度、お気軽にご相談ください。
物理とデジタルの両面から、お客様の安心を全力でサポートいたします。



