UTMの耐用年数は、経費の計算に使う「法定耐用年数」と、実際に安全に使える寿命・更新の目安で異なるのがポイントです。
法定耐用年数は区分によって5年か10年ですが、切り替えの時期はこの年数より先に、ライセンスの満了やメーカーのサポート終了というかたちで訪れます。
そのため、知っておくべきなのは「安全にUTMを使えるかどうかの判断基準」です。
そこで本ページでは、法定耐用年数と実際の寿命の違いを整理したうえで、切り替え時期の目安を解説します。
【このページで解説している内容】
・法定耐用年数と実際の寿命の違い
・切り替え時期の判断材料
・耐用年数を過ぎたUTMを使い続けるリスク
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UTMの耐用年数は法定耐用年数と実際の寿命で異なる

UTMの耐用年数は、経費の計算に使う「法定耐用年数」と、実際に安全に使える寿命・更新の目安で異なります。
UTMの切り替えを考えるなら、基準にすべきなのは「実際の寿命・更新の目安」です。
| 項目 | 法定耐用年数 | 実際の寿命・更新の目安 |
|---|---|---|
| 意味 | 機器の購入費用を、何年に分けて経費にするかの年数 | 防御機能を保ったまま安全に使える期間 |
| 年数 | 5年または10年(国税庁の区分による) | ライセンスの満了とメーカーのサポート終了のうち早いほう |
| 使い道 | 減価償却の計算 | 切り替え時期の判断 |
| 主に確認する人 | 経理担当・顧問税理士 | 情シス担当・UTMの販売元 |
法定耐用年数を「替え時」と勘違いしないよう、まずは何の年数なのかを確認しておきましょう。
法定耐用年数は国税庁の区分で5年か10年
UTMは、国税庁の耐用年数表に個別の項目として載っていません。
そのため、機器の性質から近い区分を当てはめて年数を決められます。
| 区分(器具及び備品/事務機器及び通信機器) | 耐用年数 | UTMに当てはめる考え方 |
|---|---|---|
| 電話設備その他の通信機器/その他のもの | 10年 | ルーターと同じ通信機器として扱う |
| 電子計算機/その他のもの | 5年 | 通信を検査するコンピューターとして扱う |
出典:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」/出典:国税庁「LAN設備の耐用年数の取扱いに関する質疑応答」
10年とする考え方は、国税庁がLAN設備の質疑応答でハブやルーターを10年と示していることに合わせたものです。
5年とする考え方は、UTMの中で専用のOSが動き、通信を検査するコンピューターとしての性質に注目したものといえます。
実際の寿命はライセンスとメーカーのサポートで決まる
UTMが本来の防衛機能を果たせるかは、法定耐用年数ではなく、ライセンス有効期限とメーカーサポートの有無で決まります。
【実際の寿命を決める2つの期限】
・ライセンスの期限:切れるとウイルスや攻撃の情報が更新されなくなる
・メーカーのサポート期限:終わると脆弱性を直すファームウェアが提供されなくなる
つまり、更新の目安は「ライセンスの満了」と「サポート終了」のうち早いほうです。
導入から何年たったかではなく、この2つの期限を基準に切り替えの時期を決めましょう。
ライセンスの更新時期が迫っている方、入れ替えをご検討中の方は、お気軽にご相談ください。
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UTMの切り替え時期は法定耐用年数ではなく4つのサインで判断する

UTMの切り替え時期は、法定耐用年数の5年・10年ではなく、機器とライセンスの状態で判断しましょう。
【切り替えを考える4つのサイン】
・ライセンスの更新時期が近い
・メーカーのサポート終了が決まっている
・通信が遅い・再起動が増えた
・リース・保守契約の満了が近い
1つでも当てはまれば、切り替えの検討を始めるタイミングです。
ライセンスの更新時期が近い
ライセンスの更新時期は、切り替えを考えるタイミングです。
契約しているライセンスが切れると、UTMの機能は十分に発揮されなくなります。
【ライセンスが切れたUTMで起きること】
| 機能 | ライセンス切れの影響 |
|---|---|
| ウイルス対策 | 新しいウイルスの情報が届かず、検知できなくなる |
| 不正侵入の防御 | 新しい攻撃のパターンに対応できなくなる |
| Webフィルタリング | 危険なサイトの判定が使えなくなる、または古い情報のままになる |
ライセンスが切れても電源が切れるわけでなく、一見すると正常に動いているため、更新が後回しになるケースもあります。
しかし、機器は動いていても、ウイルスや攻撃の情報は更新されていないため、十分なセキュリティ対策ができていない状態です。
期限が近い、またはすでに切れている場合は、今の機器のまま更新するか、新しい機器に切り替えるかを決めておきましょう。
メーカーのサポート終了が決まっている
メーカーのサポート終了も、切り替えを考えるタイミングです。
サポートが終わった機器には修正プログラム(ファームウェア)が提供されず、新しい弱点(脆弱性)が見つかっても直せなくなります。
【サポート終了の前後で変わること】
| 項目 | サポート期間中 | サポート終了後 |
|---|---|---|
| 弱点(脆弱性)の修正 | ファームウェアで修正される | 修正されない |
| ライセンスの更新 | 更新できる | 販売が終わることが多い |
| 故障時の修理・交換 | 対応してもらえる | 対応してもらえないことがある |
サポート終了日はメーカーの公式サイトで発表されるため、使っている機種名で一度調べておきましょう。
終了日が分かれば、いつまでに切り替えればよいかが具体的になります。
すでにサポートが終わっている、または終了日が近い場合は、サポートが続いている機種への切り替えを検討しましょう。
通信が遅い・再起動が増えた
通信が遅い、再起動が増えたと感じたときも、切り替えを考えるタイミングです。
UTMは通過する通信を検査するため、社員やクラウドサービス、Web会議が増えて導入時の想定を超えると、処理が追いつかなくなります。
【処理性能が足りないときのサイン】
・朝の始業時やWeb会議中にインターネットが遅くなる
・UTMを再起動すると一時的に速くなる
・導入時より社員や端末の数が大きく増えている
・本体が熱い、ランプの点灯がおかしいなどの異常がある
速度のために検査機能を止めて使うと、守りが弱くなってしまいます。
当てはまるサインがある場合は、今の状況に合った機種への切り替えを検討しましょう。
リース・保守契約の満了が近い
リースでUTMを導入した会社では、リース期間の満了が切り替えを考える自然なタイミングです。
リース契約は原則として中途解約ができず、途中でやめると残りのリース料に相当する金額を求められるのが一般的なためです。
また、再リースはリース料が下がる一方で、機種は古いまま、ライセンスやサポートの期限も延びません。
【契約満了時に確認すること】
・再リース後もライセンスを更新できるか
・メーカーのサポート終了日はいつか
・保守契約は再リース期間中も続くか
・今の社員数・端末数に機種が合っているか
・複合機などとのセット契約で、UTMだけを入れ替えられるか
満了まで1年を切ったら、再リースと新しい機器への切り替えを並べて比べてみましょう。
UTMの機種選定については、以下も参考にしてみてください。
| 製品 | 特徴 | こんな企業・場合におすすめ |
|---|---|---|
UTM サクサ SS7000Ⅲ![]() | 国内メーカー、サクサ株式会社の安心感で人気のUTM。 製品の詳細を見る→ | 国内メーカーの安心感を重視したい/まずは基本的なセキュリティ対策から始めたい企業 |
| UTM Check Point Quantum Spark 2500シリーズ | Check Point社製のUTMで、アンチボットやサンドボックスなど高度な機能を標準搭載。 製品の詳細を見る→ | より高度・強固なセキュリティを求める/海外製でも実績ある製品を選びたい企業 |

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耐用年数を過ぎたUTMを使い続ける2つのリスク

ライセンスやサポートが切れたUTMを使い続けると、会社を守るはずの機器が攻撃の入口になります。
インターネットとの境目に置かれるUTMは、攻撃者が最初に狙う場所でもあるためです。
それぞれのリスクについて解説します。
サポート切れの機器が侵入口になる
サポートが切れたUTMは、攻撃者が社内に入り込む侵入口になるおそれがあります。
UTMはインターネットとの出入口に置く機器なので、ここを突破されると、社内のパソコンやサーバーに直接手が届いてしまうからです。
【侵入された後に起きること】
・社内のパソコンやサーバーに、ウイルスを広げられる
・ランサムウェアでデータを暗号化され、業務が止まる
・顧客情報や社内の資料を盗み出される
出入口の機器は、社内の守りの最初の関門です。サポートが切れる前に、入れ替えを検討しましょう。
乗っ取られて他社への攻撃に使われる
古いUTMを使い続けると、乗っ取られて他社への攻撃に使われるおそれがあります。
サポートが終わった機器には修正プログラムが提供されないため、弱点が残ったままになり、攻撃者に狙われやすくなるからです。
【乗っ取られた機器が悪用される流れ】
1.攻撃者が、古い機器に残った弱点を突いて乗っ取る
2.乗っ取った機器を中継地点にして、他の企業に攻撃を仕掛ける
3.攻撃を受けた企業からは、自社の機器が攻撃元に見える
自社の機器が攻撃に使われれば、取引先や顧客からの信用にも影響しかねません。
古いUTMの入れ替えは、自社のためだけでなく、周りの企業への被害を広げないための対策でもあります。
UTMやウイルス対策ソフトなど、セキュリティ対策の見直しを検討している方は、ぜひ以下の資料も参考にしてみてください。

UTMの耐用年数に関するよくある質問
最後に、UTMの耐用年数についてよくある質問を紹介します。
Q. UTMの法定耐用年数は何年ですか?
経費の計算に使う法定耐用年数は、区分によって10年または5年です。
ルーターと同じ通信機器として扱えば10年、電子計算機として扱えば5年になります。
ただし、実際に安全に使える期間は別で、ライセンスの満了とメーカーのサポート終了のうち早いほうが更新の目安です。
Q. 耐用年数が切れたUTMはどうなりますか?
法定耐用年数を過ぎても、UTMが使えなくなるわけではありません。
使い続けられるかどうかはライセンスとメーカーのサポートで決まります。
ライセンスが切れると防御機能の更新が止まり、サポートが終わると脆弱性が修正されなくなるため、その前に切り替えを検討してください。
Q. UTMはもう古いですか?
UTMという仕組みが古くなったわけではありません。
ファイアウォールやウイルス対策を1台にまとめて管理できるため、専任の担当者がいない中小企業の出入口対策として今も使われています。
古くなるのは導入した機器とライセンスであり、定期的に新しい機種へ入れ替えることが前提の機器といえます。
Q. 減価償却が残っていても、UTMは切り替えられますか?
切り替えられます。
途中で機器を廃棄しても、まだ経費にしていない残りの金額は、廃棄した年にまとめて経費にするのが一般的です。
細かい処理は経理担当や顧問税理士に確認し、情シス担当は切り替え日と古い機器の廃棄日を早めに共有しておきましょう。
まとめ|UTMの耐用年数が過ぎる前に、期限を確かめておこう
UTMの耐用年数は、経費の計算に使う法定耐用年数と、実際に安全に使える寿命・更新の目安を分けて考えるのがポイントです。
法定耐用年数は5年か10年ですが、切り替えの時期はライセンスの満了とメーカーのサポート終了のうち早いほうで判断します。
【この記事の要点】
・法定耐用年数は経費の計算に使う年数で、区分によって5年か10年
・実際の寿命・更新の目安は、ライセンスの満了とサポート終了のうち早いほう
・切り替え時期は、ライセンス・サポート終了・性能・契約満了で判断する
・サポートが切れたUTMは、侵入口や他組織への攻撃の踏み台になるおそれがある
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